
口呼吸と鼻呼吸
呼吸は鼻呼吸と口呼吸に分かれます。どちらが正しい呼吸方法なのでしょうか?
正解は鼻呼吸が正しい呼吸の仕方です。
人間は本来,鼻で呼吸する生き物です。鼻呼吸では鼻から空気を取り込む際に鼻を含む副鼻腔の粘膜で細菌やウイルスを鼻水とともに排出する作用があります。また副鼻腔で温められ空気を肺に取り込みます。一方、口呼吸の場合空気中のばい菌が直接肺に取り込まれたり冷たい空気が冷たいまま肺に取り込まれることになります。またアデノイドと呼ばれる扁桃組織に炎症が起こりやすくなり、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患にかかりやすくなります。
正常な舌の位置
舌は口蓋(上あご)にぴったりとはりついていて、さらに上の前歯のすぐ後ろの位置にあるのが正しい舌の位置です。
低位舌
舌が下がった位置だと前歯を押してしまい歯並びが悪くなる原因となります。
鼻呼吸のメリット
人間は呼吸によって空気を吸い込み肺へ取り込んでいます。鼻呼吸によって空気が鼻を通ることで細菌やウイルスが直接肺に取り込まれないため、炎症を起こしにくいです。鼻を含む副鼻腔はフィルターの効果をしています。
口呼吸
口呼吸の場合、細菌やウイルス、ホコリなどの有害物質が直接肺に取り込まれるため炎症が起こりやすい状態になります。また、冷たい空気が直接肺に取り込まれることも様々な悪影響が全身へ出ることになります。口呼吸は喉の奥にあるアデノイドといわれる扁桃腺に炎症が起こりやすくまた炎症が繰り返し起こることでアデノイドの肥大化が起こりさらに鼻呼吸がしにくくなり口呼吸が加速してしまいます。
口呼吸による弊害
口呼吸することでどのような弊害が起こるでしょうか?
歯並びがわるくなる
低位舌により叢生や上顎前突(出っ歯)や正中離開と様々な歯列不正につながります。
成長発育(顔の骨の形成)への影響
低位舌により異常嚥下癖が引き起こされ、あごの成長に影響が出ます。
虫歯になりやすい
口呼吸によってお口の中が乾燥するので唾液による免疫が低下し虫歯になりやすくなります。また、歯並びが悪くなることで歯ブラシが当てにくくなりプラークコントロールが悪くなることで虫歯ができやすい環境となることも要因の一つです。
口臭の原因
口呼吸によってお口の中が乾燥することで口臭の原因になります。口臭はおもに細菌による匂いですからお口の中が不潔になりやすい状況です。乾燥することで唾液による自浄作用が無くなります。
歯肉炎になりやすい
口呼吸によって歯ぐきが腫れやすくなります。乾燥した歯肉は少しの刺激で簡単に出血します。
鼻呼吸から口呼吸へ
ではどうすれば鼻呼吸から口呼吸へ治すことができるのでしょうか?
口腔筋機能療法(Oral Myofunctional Therapy;MFT)は歯列を取り巻く口腔周囲筋の機能を改善する訓練法です。
歯列は舌、口唇、頬などの口腔周囲筋からいつも圧力を受けています。内側からは舌の外側からは口唇や頬の圧力により歯列に力が加わります。健康な歯列や咬合が長期にわたって保たれるためにはこれらの口腔周囲筋からの圧力が均衡を保っている必要があります。また咀嚼や嚥下、発音、呼吸などの口腔との関連した機能が正しくないと歯列に及ぶ筋圧のバランスが崩れ不正咬合や矯正後の後戻りなどの原因になります。
MFT(口腔筋機能療法)
MFTは個々の筋肉の訓練、咀嚼や嚥下、発音の訓練、安静時における口唇と舌の位置の訓練によって構成され口腔周囲筋の弛緩や過緊張を取り除き歯列に及ぶ筋圧のバランスを整えそれを維持することを目指す訓練法です。
【プレオルソ】子供歯ならび矯正法とは?
「プレオルソ」子ども歯ならび矯正法とは80年以上も前から使用され続けている「機能的顎矯正装置」をベースに新素材で作られた「プレオルソ装置」を使用した矯正治療です。「歯ならび」だけではなく、「咬み合わせの改善」「お口ぽかんの改善」「口呼吸から鼻呼吸へ」「舌のトレーニングによる正しい嚥下・発音」など子どもを健康な体へと導くことを目的とした矯正法です。
プレオルソ4つの特徴
弾性があるためこわれることがほとんどありません。
装置を温めることにより、フォーム調整は可能です。
家にいると時間に使用します。
子どもへの指導も難しくありません。
プレオルソ子供歯ならび矯正法とは?
装置を利用して口腔周囲筋機能訓練を行い歯ならびと噛み合わせを直す方法のことです。
診断が重要
どういった治療を行うとしてもまずは診断がとても重要となります。
レントゲン撮影や顔貌写真、口腔内写真や歯型の採得などを行い診断していきます。
プレオルソでどんな効果がありますか?
ゝ噛み合わせの改善
ゝ口呼吸から鼻呼吸へ
ゝお口ポカンの改善
ゝ正しい発音と飲み込み
プレオルソでの治療が難しい場合
お口の中にプレオルソの装置を入れて使っていただくことで効果を発揮する治療法です。
そのため口腔内に装置が入らない場合は治療が難しいことがあります。
強いオーバージェットやオーバーバイト、強い叢生や舌癖、強い鼻疾患こういった場合はまずそちらの対処が先になることがあります。
プレオルソだけで全てが治るわけではない
I期治療で終了される患者さんもいれば、II期治療をされる患者さんもいます。
混合歯列期〜10歳ごろ
I期治療(予防矯正)
歯並びやかみ合わせ、発音、体癖などの改善をおこなう
永久歯列期 11歳〜
II期治療(本格矯正)
よりきれいな歯並びやかみ合わせの確立
場合によっては抜歯を行っての矯正
まとめ
混合歯列期〜10歳頃までに正しい舌の位置や口唇や頬筋などの使い方や正しい嚥下方法を学んでおく必要があります。
プレオルソを代表するプリフォーム型の矯正装置は多数ありますがそれだけで矯正が終わる場合もありますし終わらない場合もあります。
歯列の咬合をしっかり噛ませる時や正中離開や歯軸のコントロールにはフルマウスのマルチブラケット装置(ワイヤーをいれての矯正)をつけてコントロールする必要があります。
また非抜歯で行えるということを推奨するものでもありませんのでご注意ください。