歯ぐきの腫れがなかなか治らない患者さん
歯ぐきの腫れがなかなか治らないということで相談を受けた患者さんです。
上顎左側の第一大臼歯頬側歯肉にフィステルが有り根管由来の感染か、もしくは歯根破折を最初の診断では疑いました。
根管由来であればMB2の存在が疑われます、こういった場合は歯科用CBCTでのCT検査の有効性が認められますので撮影したほうがより正確な診断ができます。
歯科用CBCT検査の有効性
MB2を見つける時だけでは有りませんが、こういった再根管治療を行う上で重要になるのは正確で的確な診断だと思っています。
歯科用CBCT検査を行うことでMB2根の発見率が上がることがわかっています。
特に感染根管の再治療におけるCBCT検査の有効性はとても重要なものになっています。
上顎大臼歯のMB2の出現率
上顎大臼歯のMB2の出現率はいくつか報告がありますがおおよそ70%程度と言われています。
70%と考えると、ほとんどの歯にMB2があると考えながら根管治療しなければ見つかりませんよね。
こうやってみると人間の歯の根管内は本当に複雑ですね。
根管治療は家を建てるときの土台作りに似ていますので、これを丁寧にやっておかないといくらきれいなセラミックを入れても再治療になってしまいます。
MB2の探し方
歯科用マイクロスコープに超音波チップを用いた象牙質の切削が肉眼での探索と比較して優れていることがわかっています。
といってもやみくもに削らずに歯根の解剖を考慮してあたりをつけながら切削して見つけていくことが重要でしょうか。
私も根管治療では様々な形の超音波チップを用いています。
時にはMB3が見つかることも
このケースは上記のものとは違ったものですが、時にはMB3が見つかることもあります。
ここまで複雑な根管形態では治療に時間もかかります。
なかなか治らない根管治療ではこういったMB2,MB3の根管も疑って治療しています。